映画1本観ることは

春の熊本復興映画祭で,ラストの数分だけ観た『由宇子の天秤』。(勝手な思い込みですが)ラストシーンだけでも春本雄二郎監督の作品だ!とよろこびが込み上げ,全編をいつ観ることができるかと待ちかねているところに,先日,下関市で先行試写会が開催されました。おかげで全編を観ることができました。春本監督の1作目,『かぞくへ』にも出演されていた梅田誠弘さん。今回は父親役で,ずい分と違う雰囲気だなあ,としみじみ見入ってしまいました。梅田さんの娘役を演じている河合優実さん。春本監督がYouTubeのトーク番組で,河合さんが他の作品にも出演されていると話されているのを聞いて,先に,『佐々木、イン、マイマイン』を配信で,ちょっとだけ出演されている『喜劇 愛妻物語』をたまたま映画館で観て,『由宇子の天秤』を観ることになりました。河合さんが,役によってまるで別人のように見えて,どうやって演じているのか,興味をひかれました。役者なのだから当然ですよ,台本も演出もキャスティングも違いますから,と言われればそれまでなのですが,それにしても,映画ごとの印象の違いに驚きます。さらに,昨日から始まった無料配信ドラマ(LINE),『上下関係』にも出演されています。映画ではありませんが,スマートフォンの縦画面で見るドラマで,今度はどんな役を演じられるのかと毎週の配信を楽しみにしているところです。

つらつらと書いてきましたが,映画1本観ることは,次の1本へのチケットを手にするようなものだと感じています。1本の作品が次の作品につながって,その作品に出ている役者の人たちが,他の作品ではどんな役を演じているのか,その役としてどんなしゃべり方をするのだろうかと気になって,さらに映画を観たくなります。そのおかげで,自分の趣味とは違う映画を観ることもできて,ちょっとだけ自分の趣味の空間が広がっていくことを楽しんでいます。

ところで,『由宇子の天秤』は,山口県内での上映はまだ決定していないようですが,今年の9月17日から渋谷のユーロスペースで公開され,近いところでは,広島の横川シネマや福岡のKBCシネマでは公開が予定されています。映画館のスクリーンで,もう一度観たい1本です。

*YouTubeのトーク番組:『若手国際映画監督たちが21時からゆるっと雑談』:春本雄二郎監督,まつむらしんご監督,藤元明緒監督の3人の映画監督が,映画についておしゃべりする番組。