数十年ぶりの再会、になりそうだった出来事

先日、オンラインの研修会に参加しました。他大学からの参加者もいる、オンラインツールの取り扱い方について説明でした。一通り説明が終わったところで質問タイムとなり、数人からの質問への回答がなされていました。質問はチャットのように文字で打ちこむ形式で、質問内容と質問者の名前が表示されていました。質問内容にだけに気を取られていたので、誰が質問しているのか見ていませんでした。ふと見覚えのある名前が目に入りました。それほど珍しい名前とは言えないので、人違いかもしれないと思いつつ、こちらから個別に質問者にはメッセージ送信できないので、私も何か質問して名前を表示して、アピールするしかない、とあわてて質問を考えようとしましたが、そもそも思い浮かばない質問をすぐにひねり出すこともできず、私の意図をまるで見透かしたように説明会は終了しました。

見覚えがあった名前は、私が大学1年生の頃入っていた部活の仲間のものでした。夏休みの暑い最中、冷房もない体育館の中で汗を流しながら特訓を受けたり、新入部員だけの競技会や他大学との合同の競技会にも参加したりした仲間でした。いつも穏やかに話す姿勢に、こんなにしっかりと自分の考えを穏やかに話す人もいるのだ、と憧れの眼差しで見ていました。彼とは学部も違っていて、おまけに私が途中で部活を辞めたので、それからは、毎日のように会うことはなくなりました。それでも、とても印象に強く残っている学生時代の一人でした。

もう一人、この同じ部活で、年賀状のやり取りをしていて、ある時から連絡が途絶えていた仲間を、つい最近、テレビのニュース番組で偶然目にしました。彼は、最初に就職していた大学から別の大学に移っていて、そこで研究していることが注目され、ニュースに取り上げられていました。同じく暑い夏を共にした仲間で、いつも熱い思いを語っていて、そのエネルギーに刺激されていました。私の就職が決まった頃に彼も就職が決まり、飲みに出かけたことなど懐かしく思い出されました。

私の大学生活の最初の1年目に出会った二人ですが、それまで付き合っていた地元の仲間たちとは、タイプのかなり違うところもあり、とても印象に残っています。自分自身が関心を持っていることを学ぶことだけではなく、大学以前の学校生活とはかなり違うタイプの人と出会う可能性が広がることも、大学生活の面白さの一つだと私は考えています。とはいえ、誰かと出会うことは、いつもいいことばかりではありませんし、続いていく仲間関係も、何かのきっかけで別れる関係も、時間が経つうちに消えていく仲間関係もあります。お互いの関係次第のことですし、仲が良くなればなるほどにぶつかりあうこともありますし、自分の思いおどりにはならないのが人間関係だと思います。

すでに来年度に向けての入試が本学でも始まっています。これから入学してくる大学生にとっても、すでに入学している大学生にとっても、意義深い人間関係を作っていくことができることを願っています。

ところで、明日、2022年10月3日から後期の講義が始まります。それなのに、明日の講義の資料をまだアップしていないことに今、気づきました。「人間関係が大切なことは十分わかっていますから、それより講義資料を早くアップしてください。講義の予習ができません!」と学生のぼやきが聞こえてきそうなので、今日はこのあたりで失礼します。

祭りの後、夏休みの終わり

ひと月ほど前、夏も終わりだと思いながら岩井俊二監督(1993年)の『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(45分間)の期間限定公開をオンラインでみました。この映画のタイトルには、妙に惹かれます。小学生の夏休み、少年たちが花火大会の日に、打ち上げられた花火を横から見るとどんな形をしているのかと、打ち上げが行われる会場から離れた灯台まで行って確かめるという、ちょっとした冒険物語です。それに、母親が再婚するという大人の都合で引っ越すことになった主人公の及川なずなが、同級生の島田典道を誘って家出するという、大人への意義申し立の物語としての一面もあります。

この映画を見て、小学生の頃、毎年夏休み見に行っていた花火大会のことを思い出しました。夏恒例で、海辺の広場や防波堤などから花火が打ち上げられます。その翌朝早く、同じ海辺を散歩した時のことです。広場のあちらこちらに、野球のボールほどのサイズの丸められた段ボール片が散らばっていて、海にも浮かんでいるのを目にしました。それは、花火の火薬を包んでいた外側の硬い紙でした。初めてみる光景に、驚きましたが、花火大会という祭りのタネあかしでも見せてもらったような新鮮な気分でした。とはいえ、花火のきれいな色合いも大勢の人のにぎわいもなく、散らかし放題になっている広場の後片付けが行われていて、祭りは終わったんだなあ、とちょっとした淋しさも感じました。

また、このような光景は、「メイキング」や「バックステージツアー」として、表立って舞台裏を見せてくれる動画のことを思い出します。見せるためのものでもあるので、これは裏ではなく表じゃないか?という気もします。それでもメイキングを見るのは楽しいもので、例えば、2002年のDrink! SMAPのライブDVDにはバックステージツアーが収録されていて、一時期ハマってみていました。5万人ほどは収容できるドームのアリーナに延びた細長いステージの下に張り巡らされた通路を移動する様子や、ステージに飛び出してくる仕組み、バックダンサーの人たちがステージ裏でSMAPや観客と一緒になって歌っている様子など、華やかなステージの背景を知ることができるビデオです。

物事は、どこからみるかによって異なってみえたり、広がりを感じたりすることは、とても興味深いことだと思います。

花火大会もライブもある意味では祭りと言えそうですが、祭りが終わって、日常へと戻っていく過程も味わい深いものだと感じています。こんなことを書いているうちに、大学生も夏休みが終わって来週からは後期が始まるのでキャンパスに戻ってきます。すると、大学全体が活気を取り戻します。こんなふうに「夏休み」を強調したように書いていると、大学生から、8月、9月と学校体験や教育実習も実施されているので、フルに夏休み気分でいたわけではありませんよ、とか、ずっと大学の図書館で勉強していたのでキャンパスにいました、と指摘を受けそうです。

どんな夏休みを大学生が過ごしてきたのか楽しみにして、私も後期を迎えたいと思います。

オープンキャンパスへのご参加、ありがとうございました

昨日、2022年8月6日、オープンキャンパスが無事に終了致しました。当日は、30度を超える気温の中、また講義室内も換気をしながらの実施となり、暑い中でご参加いただきましたこと、参加者の皆様にお礼申し上げます。プログラムの最後に予定しておりましたキャンパスツアーは、それ以前のプログラムの時間が延びたことで、2部とも希望者のみの実施となりましたこと、加えて、新型コロナウイルス感染症への感染予防の観点から、参加人数を制限しての開催となりましたことをお詫び申し上げます。

オープンキャンパスでは、教室企画を『心理学:知覚と無意識と』のテーマで開催しました。心理学教室での4年間、各学年での学びの概要について、つまり、教職概論をはじめとする教職科目を学び、附属学校や県内の公立学校での教育実習にも出向きつつ、並行して、心理学実験や心理学統計法など心理学の基礎を学び、2年次からはゼミに別れて各指導教員のもとでより専門的に心理学を学び、最後は卒業論文を書いて、履修すべき科目(卒業要件となっている科目)を全て修得することで、小学校教諭一種の免許状を取得して卒業できる選修であることについて説明を行いました。その後、2つの模擬授業を行いました。認知や知覚の領域を専門とする心理学の教員が、来場者の皆様にもその場でちょっとした実験に参加してもらうことで、記憶の特徴について体験を通して理解していただく講義を行いました。次に、臨床心理学の専門の教員が、無意識について精神分析学(力動的アプローチ)の立場から、日常生活でのちょっとした「言い間違うこと」や「何かをし損なうこと」(失錯行為)が、無意識の願望の表現(いわば本音)である可能性などについて講義を行いました。このような企画を通して、少しでも当選修の教育や教育学部での教員養成や本学の大学教育の一端についてご理解いただく機会となりましたら幸いです。

*http://edu.yamaguchi-u.ac.jp/prospective/prospective_license/prospective_license.html

なお、心理学だけを学びたい!という時には心理学だけを専門的に学ぶことができる大学への進学をおすすめします。また、教職に関わることだけを学びたい!という時には当小学校教育コースの小学校総合選修をおすすめします。何より、心理学と教職について学びたい!という方には当選修をおすすめします。ただし、公認心理師の受験資格は得られませんのでご注意ください。

入試に関する情報につきましては本学のウェブサイト**でご確認ください。

**http://www.yamaguchi-u.ac.jp/admission.html

強烈な暑さ続く毎日ですが、大学受験に向けて日々勉強に取り組んでいらっしゃる皆様とその周囲で支えていらっしゃる皆様のご健康をこころよりお祈りいたします。